骨粗鬆症(こつそしょうしょう)について
骨粗鬆症とは、
骨密度と呼ばれる、骨の内部構造が粗く”スカスカ”になってしまう状態の事をいいます。
原因としては、骨代謝と呼ばれる、『骨吸収』と『骨形成』のバランスが崩れ、骨の内部構造が弱くなってしまうことが主な原因で、
体内にカルシウムを取り込む、食事などの栄養問題
骨の代謝を促進する、運動による刺激
ホルモンバランスによる骨代謝のバランス不良(女性ホルモン:エストロゲンなど)
その他、ダイエットや基礎生活の乱れによるもの、遺伝的要因などがあげられます。
骨粗鬆症の予防
やはり基本は、食事・運動・睡眠 といった、基本的な生活習慣を正すことが大切になってきます。
【食事】に関しては、食事が欧米化されたり、コンビニやファーストフードが主になってしまっていると、
食品添加物に多く含まれる、リン(P)という物質は、体内のカルシウムと結合して、体外へ排出されます。
積極的にカルシウムを摂取していないと、骨を溶かし(再吸収)、骨からカルシウを取り出そうとします。
魚を積極的に摂るようにし、サプリメントなども活用するとよいと思います。
【運動】も大切な予防法になります。
身体全体の血液循環を良好に保つことや、心身ともに健康であるために、適度な運動は心がけたいです。
そして、こと『骨』に限って言っても、運動はとても大切です。
骨代謝という骨の新陳代謝のサイクルにおいて、骨自体への刺激はとても重要です。
座りっぱなしや、寝たきりの方は、骨に対しての刺激が入らない為に、骨代謝が促進されず、骨密度は低くなりがちです。
特に、『骨の長軸に対しての垂直方向の刺激』は、骨代謝を促進させる刺激になります。
ですので、ウォーキングなどはとても有効になってきます。
マラソン選手などは、骨密度がとても高いと聞いたことがあります。
【薬】
現在ではご高齢の方はかなりの割合で飲まれていると思われます。
骨粗鬆症の予防の薬です。
・骨の再吸収を抑制する
・骨の再形成を促進する
・再吸収と再形成の調整をする
このあたりは、適宜、お医者さんの指示に従っていただければよいと思います。
骨粗鬆症に対して、整骨院としてできる事―――骨の軸を整える
栄養面のアドバイスや、内臓治療による、内臓機能の回復なども行っていきますが、
整骨院として提供できる事としては、
『骨の軸を整える』 事だと思います。
先ほどの、予防には運動が良いといった中で、骨に対して長軸方向に刺激が加わることで、骨の代謝が促されるという事をお伝えしました。
その通りで、骨に対して長軸方向の刺激が運動によって起こることが一番望ましいです。
ですが、体の歪みを残したままで、運動したところで、効果的に骨に対しての刺激が入らないケースもあります。
この場合、筋肉に余計な負担がかかり、筋肉が硬くなります。血液循環が悪くなり、逆効果になってしまいます。
膝(ひざ)関節を例に出します。
(股関節は少し特殊ななので、重心線と骨が一致していないような感じも受けますが、左側の状態が正常です)
O脚のような、股関節、膝関節のずれを起こしている場合、重力線と骨の軸が合っていないので、
この状態で、運動を行っても、効果的に骨の長軸方向に刺激が入りません。
このような状態の時には、骨で支える代わりに、筋肉が姿勢を支えるようになります。
≪骨格が体を支え≫
≪筋肉が体を動かす≫
理想はこの状態です。
身体を動かす為の筋肉が、体を支える為に使われてしまうと、筋疲労や筋肉の硬さが起こりやすくなります。
そうすると、柔軟性も低下しますので、運動のパフォーマンスは下がってしまいます。
そして、体を支える為の骨が、その役割をしていない状態が続くと、その骨そのものの弱さを生みます。
筋肉も使わなければ衰えますし、骨も使わなければ衰えるのは同じなんです。
ですので、栄養面やホルモンバランスでの骨密度の変化 と、同様に、運動も骨密度とは関連が強く
同じ運動をするにしても、骨の軸があっていない場合と、軸が合っていない場合では、骨の成長度合いも違いが出てしまいます。
骨の軸を整えて生活することの重要性はおわかり頂けたでしょうか?
骨の軸を整える―――部分的観点/全体的観点
『骨の軸を整える』 ときに、部分的な観点と全体的な観点とがあります。
部分的な観点とは、
関節一つ一つのズレや歪みを整えることです。
関節に影響のある筋肉の緊張などを調整します。
全体的な観点とは、
関節一つ一つを観るのではなく、身体全体を一つの単位として観ます。
立つ、歩く、走るというった動作には必ず『バランス』が必要になります。
一つ一つの関節が正しく動いたとしても、全てが協力・調和してバランスよく動かないと、人は真っすぐに立てませんし、正しく歩けません。
逆を言えば、バランスさえ整っていれば、一つ一つの関節の不具合を補ってくれたりもします。
ですので、部分的な観点も全体的な観点も大切にして施術させて頂きます。
最後に・・・
骨粗鬆症と聞くと、年齢的に仕方が無い・・・・
ホルモンバランスで、一定の年齢が来たら仕方がない・・・・
確かに、経年での変化はあります。
ただ、細胞の代謝という観点で見たら、年齢だけでは説明がつかない事が沢山あるんです。
骨折しても血液の供給さえ滞らなければ、ご年配の方でも骨折は修復されます。
これは、骨代謝が正常に働いている証拠ですよね。
骨代謝で言えば、若い年齢の方でも、骨癒合が悪く、骨折が治らないケースも実際にあります。
栄養状態、精神状態、身体的構造問題、これらが全て折り重なって体に『症状』として現れます。
骨粗鬆症もその『症状』の一つであると考えています。
ですので、『しょうがない事』として、ほうっておくのではなく、出来ることを一つ一つやっていくことで、
体は正直に反応してくれます。
本来、備わっている能力を引き出すために必要な施術を心がけております。
御来院されている皆様
とりつかせいプラクティス,.整骨院 院長 塚田 明樹