頭痛・吐き気

頭が痛くて、吐き気もあって気持ち悪いです・・・・

 

頭が痛いのは、脳もしくはその周辺の血管における、血液供給の過剰、もしくは、減少を痛みというシグナルで表しています。

ですので、器質的な問題(脳や血管の構造体そのものの異常)も考慮にはいれますが、

心臓から出発した血液が適切な量だけ供給できるように、首や頭の状態を整えたりします。

 

そして、頭痛と吐き気がセットになって、症状に出てしまう方も多いようです。

 

痛いし、気持ち悪いし・・・・来院された時は、その表情からもお辛さが伝わってきます。

『どの姿勢も楽じゃない・・・・』

『こんな時に施術は受けても大丈夫ですか?』

『家で休んでいたほうがいいでしょうか?』

 

このようにおっしゃる方もおられます。

痛みやなんともいえない不調というのは、不安になります。

原因がわからないものは余計に不安になりますよね。

 

吐き気は何故起こる?

 

『吐く』というのは、胃から逆流して口から戻してしまう事ですので、

からだの反応としては、体に合わないもの、受け付けないモノを体外へ排出するという事です、

なので、

吐き気を催したときには、辛いでしょうが、出してしまったほうがいいんです。

 

腐敗したものや毒性のあるものが、口から入ってきてしまったということで、そのシグナルが、嘔吐中枢(吐き気をコントロールする司令塔)へ行き、そこから、吐き気を感じます。

 

実際に、体に合わないものでなくても、免疫が下がっているときや、体調が優れない時などは、消化分解能力も低下しますので、普段大丈夫だと思っているものでも、吐き気を出してしまう事もあります。

 

このように、消化器(口~食道~胃~腸)の中で、異物を感じた吐き気であれば、その原因を出してしまえば、事は済むのですが、

 

今回のように、頭痛に伴う吐き気というのは、多くの場合、

『吐きたいけど吐けない』

『気持ちわるいんだけど、どうしていいかわからない』

という状態になってしまう方がいます。

 

これは、どういった状態かといいますと、

【’消化器(胃や腸)の問題ではない】

というケースがあるんです。

 

先ほどの吐き気の流れで、

口から胃や腸へ、異物が入ってくる⇒(神経のシグナル)⇒嘔吐中枢⇒吐き気

 

という流れがありましたが、

 

この嘔吐中枢そのものの部分に、なんらかの原因で血液供給が滞ったりしてしまうと、

嘔吐中枢が、誤った認識をして、胃や腸には問題ないのに、吐き気を感じさせてしまうことがあります。

この嘔吐中枢が存在する場所というのが、【延髄(えんずい)】という場所で、

ちょうど、首と頭の境目あたりの奥にあります。

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この部分の筋肉が硬くなったり、首の骨のズレ・歪みが生じ、血液の循環が悪くなってしまうと、延髄の機能に問題が出てくることがあります。

 

ですので、首の硬さ、頭の硬さが原因となり、頭痛とセットになって、吐き気が表れてしまうことがあるのです。

 

この場合は、枕などを用いて、適切な首の位置(仰向けになれれば、仰向けのほうが楽だと思います)で、安静にしてあげると、吐き気そのものは収まってくることが多いです。

 

延髄に対する血液供給が正常に行われれば、誤った『吐き気』という指令は発しられなくなるので、吐き気の症状は落ち着きます。

 

 

今回の施術では

 

まずは、一番辛い、吐き気、頭痛に対して、

先ほど書きましたように、仰向けで首の位置を安定させて、体をリラックスしてもらい、

腹部をホットパックで暖めました。(こういった自律神経の影響も受けている症状の場合、内臓の冷えや硬さがあります。少し物理的にお腹を暖めるだけでも、楽になる場合があります。)

 

その後、症状が少し落ち着いたところで、全身の状態をチェックします。

 

・左の顎関節の歪み(噛み合わせ、歯の設置の不均衡)・・・頭痛の原因になります

・頭蓋骨全体の歪み・・・・・少し珍しいケースでした。   

       脳の緊張が強く出ます。=自分ではリラックスした状態がつくりずらい。

・内臓の硬さ・・・・自律的な運動が弱い感じです。(食べても消化しにくい状態)

       部位としては胃なんですが、脾臓という臓器を調整しています。

       貧血もあるとのことでした。

       貧血、体の冷えには脾臓は大きく関与します。

       そして、脾臓は胃と関連が強いのです。(あと膵臓も)

       胃や脾臓は、左半身(背中)に緊張をつくることが多いので、左顎などにも関連性があありそうです。

 

このあたりを、整えて終了しています。

 

 

大切なことは   

 

『いつも最後の砦と思って来るので・・・・』

『どうしようもないくらいになるまで、来ないんです・・・』

 

なんだか、嬉しいのかよくわからないコメントですが。

頼って頂けるのは大変ありがたいのですが、

 

大切なことは、ご本人が辛い症状を出さずに済むことです。

 

そして、それを自分でコントロールできるようになること。

 

コントロールするためには、一旦、体をよい状態に戻し、基準を創ることなんです。

 

今回も、『症状』は一旦落ち着くと思います。

 

ただ、『症状の種』は、まだ確かにそこに存在しています。

 

症状を作り出す原因が、複雑な場合

 

筋肉・骨格/内臓・自律神経/精神・感情・環境/・・・

 

これらが、折り重なって症状を創っている場合、

 

一回の施術では、捕らえきれずに、逆に一旦、症状としては、悪化するケースもあります。

(僕自身の技量の問題もあるかもしれませんが。。。)

今回の吐き気のように、体が外に出したいという反応を、もし止めてしまっていることがある場合(薬だったり、環境的要因/人間関係/社会的立場/感情を抑える傾向ななど)

体を治そうとする過程では、一度、それらを排出しようとする反応が起きます。

 

避けては通れない時もあります。

そうすると、僕も辛いですが、一番辛いのは、ご本人です。

 

ですので、大切なことは、溜め込まないこと。

自分の中の溜め込みのシグナルを見逃さないこと、

シグナルに気がつけるように、良い基準を持つこと。   

 

1ヶ月に1度くらいは、自分を省みる時間があっても良いと思いますよsmile 

 

 

とりつかせいプラクティス.整骨院  院長  塚田 明樹