小学生や中学生、高校生などの、10代前後でも、肩こりや頭痛、腰の痛みなどを訴えて来院される方がおります。
自分がその当時どうだったかな~?と振り返ると、
肩こりや頭痛などは、今でもそうですが全くご縁がありませんでしたが、
腰に関しては、中学生の時に『椎間板ヘルニア』と診断されたことがあり、一時期苦しみました。
症状も時代や年代によって移り変わる
『自分の時代は~』とか、『若い時はなんでも寝たら治ってた』とか、
自分の経験では語れない時代です。
もちろん、基本的な生活、食事や運動、睡眠などは自分で気を付けていかないといけない部分もあります。
ただ、個人のレベルで気を付けようとも気を付けられない事も多々あると思います。
そして、それが【普通】である。と感じてしまっていて、なんの違和感もなく日常を送ってしまっていることって多いと思います。
その普通が、その個人の【基本的な認識の範囲】を決めます。
リビングでは、常にテレビが付いている事が当たり前
道は舗装されているもの
靴で歩くことが普通
ごくごく当たり前の様ですが、ここ10年単位で大きく個人を取り巻く環境が変化しています。
この環境で生まれ育って、生活していく事で、20年、10年前には考えられなかった症状も出てきておかしくはないです。
基本的な構造そのものは問題なし!
来院される学生さんの、身体の検査をすると、
基本的には、細胞の代謝もよく、筋肉の張り、弾力性や関節の動きは悪くはありません。
(中には、柔軟性が恐ろしく低くなっている方もいますが・・・)
身体全体の連動性、統一感のなさ
重心の偏り・・・足の指がほとんど使えていない
内臓の疲れ、お腹の張り
この辺が気になることが多いです。
これ、主に、首から上、頭(脳)だったり、頸椎のズレから起こる問題だったりします。
でも、こういった状態って、その個人個人が気をつけてどうにかなるレベルではないと感じています。
身体全体の運動や重心に関していうと、
整えられた遊び場とか、大人の監視下の中で安全な遊びしかしていない状況だと、
自分で考えて、自分で試行錯誤して、時には怪我などもしながら、身体の使いかたを覚えていく時期に、その環境がなかったってこともあると思います。
身体の使い方や重心の置く位置、そして体重移動などは、本来は、不整合な環境下で、本能として覚えていくものです。
足の裏や足首の使い方、そして、膝、股関節、腰・・・と、様々な部分を連動させて、工夫して獲得していく能力です。
これらが、足りていないと、身体を大きく使う習慣や重心の置く位置や重心移動がスムーズではないと、姿勢の悪さなどに繋がっていきます。
基本的には、10代くらいで、訴える肩こりや腰の痛みなどの原因は、表面の筋肉が硬くなる状態ではなく、
身体を支える深層部分の筋肉の硬さ、弱さによって起こります。(大人も同じような事が言えますが。)
時間は遡れませんが、今の状態を変える事で、本来持っている能力は再び使えるようになります。
確かに、身体の使い方などは、経験や体験によって獲得していくものですが、
『もともと無かったものを創り上げた』訳ではなく、
『本来持っている能力を育てた』といったほうが、正解かもしれません。
ですから、どの年代からも、育てていく事は可能です。
緊張した脳や疲労した内臓を整える事で、霧がかかっていた様な状態の、自分の能力を発揮させてあげる事は可能であると信じていますし、
現実に、そういった変化は起こります。
若い人が、肩がこる、腰が痛いと訴えていた時に、
【若いんだから・・・大丈夫】
とせずに、是非、協力してあげてほしいと思います。
なんでも揃って便利な時代ですが、身体として考えると、ちょっとした試練な時代かもしれません。