整骨院の開業に必要な国家資格について!整体院との違いとあわせて解説

整骨院の開業に必要な国家資格

ケガの治療を行う医療施設として、整形外科医院以外に整骨院という選択肢があります。手術やレントゲン・MRIなどの画像検査、痛み止めなどの薬の処方は、整形外科でなければできません。しかし健康保険や労働災害保険などの、公的保険を適用しての治療は、整骨院でも可能です。今回は整骨院とはどのような医療施設なのかについてご紹介します。合わせて開業に必要な国家資格や整体院との違いについても解説しましょう。

 

整骨院を開業するのに必要な国家資格について

整骨院を開業するには国家資格が必要です。ここではまず整骨院の定義について解説します。また必要な国家資格の内容や、資格の取得方法についても解説しましょう。

整骨院とは?

日常生活や運動中の事故などによって発生するケガに対して、日本の伝統医学のひとつである柔道整復術の施術を行うところです。接骨院やほねつぎとも呼ばれています。主には骨折や捻挫・脱臼・打撲などのケガに対して、整復・固定の治療と後療といわれる、ストレッチや運動療法と運動指導などを行います。スポーツなどでの急なケガや、交通事故や労働災害によるケガの施術も可能です。また慢性的な筋肉のコリやハリなどの施術もしてもらえます。この柔道整復術の施術を行うには、柔道整復師という国家資格が必要です。

柔道整復師とは?

柔道整復師とは、厚生労働大臣免許の国家資格であります。骨折・捻挫・脱臼・打撲・挫傷などの施術をおこなう、職種の正式名称です。手術や注射および投薬などの外科的治療を行わず、人間が元々もっている、自然治癒力を引き出させる施術方法が特徴です。

柔道整復師の資格を取得する方法

柔道整復師の資格を取得するためには、10科目の筆記試験で構成される国家試験を受けて合格しなければなりません。ご参考までに科目名を一覧に記載しましょう。

1 解剖学
2 生理学
3 運動学
4 病理学概論
5 衛生学・公衆衛生学
6 一般臨床医学
7 外科学概論
8 整形外科学
9 リハビリテーション医学
10 柔道整復理論及び関係法規

またこの国家試験の受験資格は、以下の通りです。

  • 文部科学省が指定した4年生大学で必要な科目を履修した者
  • 厚生労働大臣もしくは都道府県知事が認定した養成施設で、必要な知識と技能を3年以上履修し、カリキュラムを修了した者

 

整骨院と整体院の違いについて

整骨院と整体院を同じもののように思っている方も多いかもしれません。しかし施術の目的や内容、必要な資格などまったく違うものです。ここでは整体院の定義や関連する資格について紹介しつつ、両者の違いについて解説します。

整体院とは?

整体院とは患者の背骨や骨盤のズレを矯正し、身体の傷みやコリなどの不調を改善するよう、手や足による施術を行うところです。整体は東洋医学が基礎になっており、日本古来のものや中国由来のものが存在します。さまざまな整体術が現代まで受け継がれていきました。

整体師になるのに必要な資格

整体師になるのに、とくに法律上で定められた必要な資格はありません。一般的には専門学校などで専門的な知識や技能を学習するケースが多いのです。各種協会やスクールなどで認定している、民間資格も存在しています。また通信教育や1か月間から6か月間などの、短期で学べるスクールもあるとのことです。なかにはより幅広い施術を行えるよう、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師など、国家資格を取得する整体師の方もいます。

可能な施術の違いについて

整骨院と整体院の最も大きな違いは、上述の通り医療行為ができる国家資格の有無です。整骨院では柔道整復師の先生が、健康保険適用の医療行為をできます(※)。しかし整体院で整体師が行えるのは、自費診療のみの対応となります。

施術内容にも大きな違いのあるのが特徴です。整体院は骨のズレを元の位置に戻して、筋肉のコリをほぐすことで体調改善を目指します。対して整骨院では痛みがある部分へ、直接的にアプローチします。脱臼や骨折は整体院では治療できないものの、整骨院では治療が可能です。

ただし骨折などの診断のために、レントゲンやMRIなどの画像検査をすることは整骨院でもできません。そのような診察が必要な場合は、整形外科にかかるのが適切です。

(※)整骨院でも、施術内容によっては自費診療扱いとなる場合もあります。

 

まとめ

整骨院を開業するには、国家資格である柔道整復師の資格が必要です。骨折や打撲・脱臼など、日常生活や運動中に負った外傷性のケガに対して、外科的治療は行いません。代わりに整復・固定・後療などの治療を行います。法律で定められた資格を必要とせず、主に腰痛や肩こりなどの痛みの軽減や体調改善を目指すのが整体院です。そのため施術の目的や内容および、健康保険適用の医療行為の可否などにおいて大きな違いがあります。

整骨院と整体院のどちらにかかるべきかは、ご自身の症状や目的によって、しっかり見極めることが大切です。「とりつかせいプラクティス.整骨院」は、西武新宿線「都立家政駅」徒歩1分のところに位置しています。健康保険適用のケガの治療から、自費診療の整体の施術まで、幅広い施術で身体と心の健康をサポートしています。現在お悩みの症状について、ぜひお気軽にご相談ください。